ブレーキパッドの交換方法:特徴、必要な道具、交換手順

自動車を安全に運転するために欠かせないのがブレーキシステム。特にブレーキパッドは、ブレーキをかけるたびに摩耗していく部品です。定期的な点検と交換が求められますが、これを怠ると、車の制動距離が長くなり、最悪の場合、事故の原因にもなりかねません。

今回は、ブレーキパッドの交換方法について、特徴、必要な道具、交換手順を分かりやすく解説します。自分で交換作業を行うことで、整備費用を節約することも可能ですが、しっかりと準備と理解を持って行うことが大切です。

ブレーキパッドの特徴

ブレーキパッドは、車の制動力を生み出す重要な部品です。ブレーキを踏んだときに、ディスクローター(ブレーキディスク)に圧力をかけて摩擦を生み出し、車を止める役割を果たします。一般的にブレーキパッドは、摩耗しやすいため、定期的に点検と交換を行う必要があります。

摩耗具合を確認するポイント

ブレーキパッドは、摩耗すると制動力が低下するため、点検が重要です。摩耗が進むと、パッドの厚さが薄くなり、金属部分が露出することがあります。この状態では、ローターに傷がつき、交換がさらに高額になってしまうこともあります。

また、摩耗の進行具合を確認するための目安としては、パッドの残りの厚さが約3mm程度になると交換時期が近いとされています。

ブレーキパッドの材質

ブレーキパッドには、主に以下の3種類の材質があります。

  • ノンアスベストパッド:アスベストを含まないパッドで、一般的に広く使われています。性能と耐久性のバランスが良いとされます。
  • セラミックパッド:比較的新しいタイプで、静音性が高いのが特徴です。摩耗しにくく、性能も安定していますが、価格が高めです。
  • 金属製パッド(メタルパッド):強い摩擦力を持ち、高温でも安定した性能を発揮しますが、摩耗が早いとされます。価格は比較的安価です。

自分の車にどのタイプのパッドが使われているか、事前に確認しておくことが大切です。

ブレーキパッド交換に必要な道具

ブレーキパッドの交換を自分で行う場合、以下の道具を準備しておくことが必要です。

1. ジャッキ

車を持ち上げるために必要です。ジャッキアップができる場所を選び、安全に作業を行いましょう。

2. ジャッキスタンド

ジャッキアップした車を支えるためのスタンドです。ジャッキだけでは不安定なため、必ず使用しましょう。

3. 車両取扱説明書

車種によって異なる部分が多いため、取扱説明書でブレーキパッドの交換方法やパッドの取り外し・取り付けに関する情報を確認しておくことが大切です。

4. ソケットレンチ

ホイールのナットを外すために必要です。サイズに合ったソケットを使用しましょう。

5. ブレーキパッド

交換用のブレーキパッドを用意します。事前に車種に合ったものを選んでおきましょう。

6. ブレーキフルード

もしブレーキフルードを交換する場合には、必要な分量を確保しておきましょう。

7. 潤滑剤

パッドとローターの接触部分に塗布することで、摩擦を減らし、静音化を図るための潤滑剤があると便利です。

8. ブレーキクリーナー

ホイールや周辺の汚れを取り除くために使用します。交換作業を行う前にクリーニングすることが推奨されます。

ブレーキパッドの交換方法

それでは、ブレーキパッドの交換手順について解説します。まず、安全確認を行い、道具を整えたら、以下の手順に従って作業を進めていきましょう。

1. 車をジャッキアップする

作業を始める前に、車を平坦で安定した場所に停め、駐車ブレーキをかけます。ジャッキを使って車を持ち上げ、ジャッキスタンドでしっかり支えます。この段階で、車が不安定にならないように注意してください。

2. ホイールを取り外す

ジャッキアップした車のホイールナットをソケットレンチで外し、ホイールを取り外します。ホイールが外れると、ブレーキパッドが見えるようになります。

3. ブレーキキャリパーを外す

次に、ブレーキキャリパーを取り外します。キャリパーは、ブレーキパッドを保持している部品です。キャリパーの取り付けボルトをソケットレンチで外し、キャリパーを取り外します。取り外す際には、ブレーキホースに無理な負担をかけないように注意してください。

もしキャリパーが外れにくい場合は、少し力を入れて叩くか、キャリパーを揺らして外します。無理に外すと、部品を傷つけてしまう可能性があるため慎重に行いましょう。

4. 古いブレーキパッドを取り外す

キャリパーが外れたら、古いブレーキパッドを取り出します。パッドがしっかりと固定されているため、少し力を入れて引き抜く必要があります。パッドがしっかりと取り外せたら、ブレーキディスクの状態も確認しておきましょう。

5. 新しいブレーキパッドを取り付ける

新しいブレーキパッドを、古いパッドを外した場所に取り付けます。新しいパッドを取り付ける際には、パッドが正しく配置されていることを確認し、しっかりと固定します。

6. キャリパーを元に戻す

新しいブレーキパッドが取り付けられたら、キャリパーを元の位置に戻し、取り付けボルトでしっかりと固定します。この際、キャリパーが正常に動作することを確認してください。

7. ホイールを取り付け、ジャッキを下ろす

ホイールを取り付けてナットをしっかり締めたら、ジャッキスタンドを外し、車を下ろします。最後にホイールナットがきちんと締まっているか再確認してください。

8. ブレーキをチェック

交換が終わったら、ブレーキを何度か軽く踏んで、パッドがローターにしっかりと当たっているか確認します。新しいパッドが正常に動作しているかどうかを確かめることが重要です。

まとめ

ブレーキパッドの交換は、車の安全性を保つために欠かせない作業です。適切なタイミングで交換を行うことで、事故のリスクを減らし、長期的に安心して車を運転することができます。

自分で作業を行う場合は、必要な道具を揃え、手順を守って慎重に進めることが大切です。また、交換作業に自信がない場合や不安がある場合は、専門の整備士に依頼することをおすすめします。

ブレーキパッドの交換方法をしっかり学び、車の安全を守りましょう。