バイクカウルの取り外しと取り付けのコツ
バイクのカウルは、見た目だけでなく、走行時の風の抵抗を軽減したり、バイクの安全性を高めたりする重要なパーツです。カウルを自分で取り外したり、取り付けたりすることで、カスタマイズの自由度が広がり、メンテナンス性も向上します。しかし、カウルの交換や取り付けは、慎重に行わなければならない作業です。今回は、カウルの取り外し・取り付けのコツや注意点について詳しく解説します。
カウルの役割と特徴
まず、カウルがバイクにおいて果たす役割を理解しておきましょう。カウルとは、バイクの車体を覆うプラスチック製の外装パーツのことです。主に、風の抵抗を減らすことや、エンジンやバイクの内部機器を保護する目的で装着されています。
バイクにとってカウルのメリットは以下の通りです。
- 風の抵抗の低減: 特に高速走行時に、空気抵抗を軽減し、安定した走行をサポートします。
- エンジンやバイク内部の保護: 路面からの飛び石や泥、雨水などからバイクの内部機器を守る役割もあります。
- デザイン性の向上: カウルはバイクの外観を大きく左右するため、カスタマイズによって個性を出すことができます。
バイクをセルフカスタムする際、カウルの取り外しや取り付けは非常に重要な作業の一つです。カウル交換のタイミングや方法を理解しておくと、後々のカスタムやメンテナンスがスムーズに進みます。
取り外しに必要な道具
カウルの取り外しには、いくつかの基本的な道具が必要です。事前に準備しておきましょう。
必要な道具
- 六角ソケットとラチェット(六角レンチ)
- カウルを固定しているボルトを外すために使用します。バイクの車種によってボルトの種類やサイズが異なるため、セットで準備しておくと便利です。
- ドライバー(プラス・マイナス)
- 一部のカウルは、ドライバーで締め付けられている場合があります。プラスとマイナスのドライバーを準備しましょう。
- ピン抜き工具
- プッシュピンやクリップを外す際に使うと便利です。特にプラスチック製のピンは外しにくいため、専用の工具を使うと作業がスムーズになります。
- ボルト収納用の小皿や容器
- 取り外したボルトやクリップをなくさないように、必ず一つの容器にまとめておきましょう。
- 養生テープや布
- カウルを傷つけないように、作業中に養生テープや布を使って保護します。特にカウルの裏側や角などは傷がつきやすいため注意が必要です。
これらの道具を揃えたら、作業に取り掛かる準備が整います。
カウルの取り外し手順
カウルを取り外す際には、車種ごとの違いがあるものの、基本的な流れは共通しています。慎重に作業を進めていきましょう。
1. ボルトの位置を確認する
カウルがどの部分にボルトで固定されているか、まずは確認しましょう。多くの場合、カウルは前方から後方にかけて、複数のボルトやクリップで固定されています。車両の取扱説明書を参考にしながら、ボルトの位置を特定します。
2. ボルトを外す
ボルトが見つかったら、六角ソケットとラチェットを使って外していきます。この際、ボルトを外す順番にも注意が必要です。順番を間違えると、カウルに過度な力がかかり、割れたり曲がったりする恐れがあります。ボルトは必ず順番通りに外し、まとめておくと後で取り付けるときに役立ちます。
3. プッシュピンやゴムクリップを外す
カウルはボルトだけでなく、プッシュピンやゴムクリップで固定されている場合もあります。これらを外す際は、専用のピン抜き工具を使って慎重に外しましょう。無理に力をかけると、ピンが折れたり、カウルが傷ついたりする可能性があるので注意が必要です。
4. カウルを取り外す
全てのボルトやクリップを外した後、カウルを取り外します。この際、カウルが引っかからないように、ゆっくりと取り外しましょう。カウルを外す際に力を入れすぎると、ツメが折れたり、割れたりする恐れがあります。慎重に作業し、無理に引っ張らないように心がけましょう。
カウルの取り付け手順
取り外したカウルを再度取り付ける際には、取り外しの逆の手順で作業を進めます。ただし、取り付け時にはいくつか注意すべき点があります。
1. 既製品のカウルの場合
カウルの交換には、純正品または社外製品を使用することが一般的ですが、既製品を取り付ける場合、バイクの規格に合わないことがあるため、事前にしっかりと確認することが重要です。ボルトの長さや穴の位置が適合しない場合、調整が必要となることがあります。
2. トルクレンチを使用
カウルを取り付ける際には、締めすぎに注意する必要があります。ボルトを締める際にトルクレンチを使うことで、過剰な締め付けを防ぐことができます。特にプラスチック製のカウルは、締めすぎると割れることがあるので、適切な力加減で締めることが大切です。
3. 規格の調整
既製品のカウルがバイクの規格に合わない場合、アルミカラーやボルトなどを挟んで調整する方法があります。これにより、カウルがしっかりと固定され、適切な位置に収まります。
4. ゴムワッシャーを使う
カウルの取り付け時、ワッシャーを使用する場合、ゴムワッシャーを選ぶことをおすすめします。ゴムワッシャーは、カウルと車体の間で衝撃を吸収し、割れやひび割れを防止する役割を果たします。
カウルの着脱費用の目安
カウルの取り外しや取り付けをバイクショップに依頼する場合、費用が発生します。料金は車種や作業内容によって異なりますが、一般的な目安としては以下のようになります。
- 一般的なカウルの着脱費用:500円〜1,000円程度
- アッパーカウルの着脱費用:3,500円〜8,000円程度
- ビッグスクーターのカウルの着脱費用:1,000円〜5,000円程度
カウルの取り外し作業が難しい場合や時間がかかる場合は、工賃が高くなる傾向があります。事前に見積もりをもらうことをおすすめします。
まとめ
カウルの取り外しや取り付けは、自分で行うことができますが、注意すべき点がいくつかあります。正しい道具を使い、慎重に作業することで、カウルを傷つけることなく安全に取り外し・取り付けが可能です。また、既製品のカウルを取り付ける際には
、規格の違いを確認し、適切な調整を行うことが大切です。
カウルの交換や取り付けは、バイクの外観や性能に大きな影響を与えるため、慎重に行いましょう。